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システム課 森藤です。 7/9、静岡市の駿河区にあるコンベンション・センター「グランシップ」に家族と出かけてきました。   今回、静岡市が開催地となった「第64...

  • 2018.07.13
システム課 森藤です。
7/9、静岡市の駿河区にあるコンベンション・センター「グランシップ」に家族と出かけてきました。
 
今回、静岡市が開催地となった「第64回関東甲信越静里親協議会」に参加する為です。
 
1年に一度開催されるこの協議会には、里親同士の交流や情報交換、そして様々な講演会を聞く為に日本全国から里親の皆さんが集まります。
 
ここの講演で印象深かったお話が、里親委託率が依然として向上しない日本。社会が問題を作っているところが無いか?というお話。
 
例えば、児童養護施設や里親家庭で度々問題になる、児童の問題行動。
施設に保護されたり、里親の家庭に迎え入れられた児童に良く表れる特徴といわれていて、「ここの家(施設)はこんな事をしても怒られないかな?」とか、「保護者の耳目を自分に集中させたい」そんな理由で、保護者を試す行動の事。
しかし、この行動、そもそも問題としてとらえて良いものなのか?
 
タイのとある児童養護施設。
職員の人たちに、日本で問題となっているこの行動について質問してみると、職員からは「そのような問題自体、聞いたことが無い」と回答が返ってきました。
講義をして下さった先生が今まで巡った発展途上の国々で、同様の回答が相次いだそうです。
 
確かに、問題行動の中には大変悪質なものもあります。
ですが、程度の軽いものはいわゆる「赤ちゃん返り」に近いものであるようにも感じます。
 
今の日本社会は自ら作った「問題行動」という定義に縛られ、それを必死で改善しようとしている所があるのではないか。そもそも子供達それぞれが持つ個性や事情に目を向けていない所もあるのではないか?
そんなケースが様々なところに隠れているのではないか?と、言外におっしゃっているように思えました。
 
社会的養護を必要とする児童において障がいのある児童の割合が急増している。というデータがあります。
この子は枠に収まらないから、他の事同じことが出来ないから。とネグレクトをする親の増加が背景にあるのでしょうか。
 
画一化された理想の生活、分かりやすい成功。それは生活の質を向上するためにとても大事な要素です。
ただ、根本、人の幸せはそれぞれがオリジナルなもの。
ひいては子供の幸せのすべてでは無いはずなのですが、社会がそれを許さない部分がある。
そんな事を感じたお話でした。
 
日本の里親委託率を記します。
6.2%(2000年)
12%(2010年)
14.8%(2012年)
年々改善していますが、先進国中最下位(2010年調査)です。
1位のオーストラリア93.5%と比べると勿論、下から2番目の韓国でも43.6%と他国と大きく差が開いています。
 
施設出身の子供たちの犯罪率、ホームレスになる割合は、普通家庭の子供達に数倍するとのデータがあります。
 
一般的家庭の子らは、自ら理想とする、ここに落ち着きたいと思える居場所を想像することが出来ます。
だから、失敗したり躓いたり、つらい状況に置かれた時、人はいつも通りの生活に戻ろうと努力することが出来ます。
 
では、そもそもの日常が地獄だった子供たちは?
彼らはいつも通りの「落ち着いた生活」が分かりません。
このため、虐待を受けた子らは、自らの理想の将来像を想像することや、失敗からのリカバリが不得意なんです。
 
いつも通りの「落ち着いた生活」それを提供できるのが、里親家庭なんだと考えています。

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