不動産のまめ知識

「ここに住みたい!」と言ってもらう方法とは?

  • 2015.07.06

「ここに住みたい!」と言ってもらう方法


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空室対策は、現地に来て内見(部屋と施設を見る)してもらうための工夫と、内見したら「この部屋に住みたい」と感じてもらうための工夫に分けて考えます。

お部屋が決まらない原因は、お客様が「見に来ていないか」、あるいは「見たのに気に入らないか」のどちらかしかありません。
過去の記事で、「家賃と部屋の価値のバランスを合わせる考え方」や「部屋の価値を高める具体的な方法」などを紹介してきました。

これらは、お客様に「見に来てもらう」ための様々な工夫です。

前回の記事では、「“カスタマイズできる”という募集方法」や「家具・家電等をセットして見せる」という方法を紹介しましたが、これは、内見したら気に入ってもらうための工夫です。
そこで今回は、さらに「ここに住みたい」と言ってもらうためにアピールする工夫を紹介いたします。

外観と共用部分に気を配る


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実際にご案内して感じるのは、お客様が第一印象で「ここに住みたくない!」と決めるのは、意外にも部屋に入ってからではなく、外観や共用部分を見たとき、ということです。

たとえば築15年の物件の外壁が、それなりに古びているのは当然であり問題ありませんが、荒れていて放置されているという印象を与えると嫌われます。
特に共用部分のエントランスや通路にゴミが目立ったり、自転車がだらしなく放置されていたり、ゴミ置き場が汚れたままになっていると、部屋を見るまでもなく「ここには住まない!」と決断されてしまいます。

古びた外観でも、1つのプランターに季節の花が植えられているだけで、貸す側の入居者への気配りを感じてもらえます。

オーナーからの「ウエルカムメッセージ」


大家さんと店子の距離感には微妙なものがあります。

近すぎると、それを敬遠する借主もいます。

しかし誰でも「どんな大家さんなのか」「親切な大家さんならいい」とは思っているはずです。

そこで部屋の中に、さりげく「ようこそ」というメッセージが置かれていると、お客様の気持ちは引き付けられます。

メッセージの中に、その部屋に住む人が知りたい地域(お店など)の紹介が書かれていたら、親切・親身な気持ちが伝わります。

「この施設と地域で快適に暮らしてほしい」というオーナーの暖かい気持ちを伝えたいのです。

もし文面を考えるのが苦手でしたら、募集や管理を依頼している会社のスタッフが考えてくれるはずです。

時間のあるときは空気の入れ替えを


しばらく空室が続いたとき、人が暮らしていない部屋はすぐに臭いや湿気が充満しますので、定期的に空気の入れ替えをするべきです。

もちろん管理を依頼していれば、定期的に巡回してくれるはずですが、その頻度には限度があります。もしオーナーが近くにお住まいでしたら、時間の許すときはお部屋に訪れて空気を入れ換えたり、オーナーの目でお部屋をチェックしてみてください。

お客様からの交渉に備える


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お客様はお部屋が気に入っても、「交渉なしで決めるのは損」と考えるのが最近の傾向です。

そのとき、「少し家賃が下がらないか」という要望に、「家賃の発生をあとにしましょう」という提案で決まることもあります。

そのときは、その場ですぐに結論が得られることが望ましいのです。
オーナー様の携帯電話を担当スタッフに伝えておくなどしていただき、なるべく連絡がとれるようになっていると、貸主側の条件をすぐ伝えて決断していただけます。

せっかく気に入っていただけたなら、お部屋を見たときにその場で決断していただかないと、大切なお客様を逃がしてしまいます。

最近のお客様は、不動産会社に訪れて部屋と施設を内見したあと、結論を出さずに帰ってから、インターネットを見て他の物件と比較する、という傾向があります。

でも、その場で「ここでよい」と説得できる「理由」があれば決めてもらえます。

そのための仕掛けが、ひとつでもふたつでも欲しいのです。

“お得感”を感じていただく工夫


人は甲乙付けがたい商品を前に迷ったとき、ちょっとした理由で「どちらか」を選ぶことがあります。

それは、ほんの少しの「お得感」なのですが、オーナー様のお部屋にも、そのような「お得感」を用意しておきましょう。

ただし、お客様が「得をする」ということはオーナー様が「負担する」ということなので、その負担分は「空室を早期に埋めるための対策費」と考えていただきます。

対策費を有効に使って一日も早く部屋を決めよう、という考えです。
では、どのような有効的な使い方があるのでしょうか。
まずは「フリーレント」という方法がよく使われています。入居後の最初の1ヶ月から数ヶ月の家賃をサービスするのですが、最近では、お客様がインターネットで探すときに、最初から「フリーレント物件」という条件をつけることが出来るようになっています。

この条件をつけるとオーナー様の貸室がお客様の目に触れやすくなるという利点があります。
初期費用か室内設備か
つぎに、お客様の「初期費用を少なくしたい」という要望は、アンケートを見ると年々増していることが分かります。

お金がない人が増えたというより、それが部屋を探すときのトレンドなのです。

初期費用には礼金と敷金以外に、前家賃、火災保険料、保証料(保証会社を使う場合)、鍵交換費用などが必要ですが、それらを含めて「○○○円パック」で入居できるとか「ゼロ円」で入居できる、という「貸し方」があります。

お客様の立場で見てみると、少額で計算しやすい費用で入居できる部屋は、他の物件と比べて魅力的に映ることでしょう。

そのサービス分に対策費を活用するというアイデアです。「そんなことまで家主が面倒をみるのか」と思うのも当然ですが、同じ対策費を使うなら「お客様はどれに一番“お得感”を感じるか」という選択の問題でもあるのです。
対策費の別の活用方法は室内設備です。迷っているお客様に「好きな室内設備が選べる」という条件を提示します。

どんな設備が選べるかは予算によりますが、エアコン、テレビドアホン、浴室乾燥システム、壁に据付けの液晶テレビなどは喜ばれるでしょう。

あるいは、ケーブルテレビの使用料(1年分など)やインターネットサービスの使用料として活用もできます。
さて いかかでしょう。昔はオーナー様が借主に、このようなサービスをすることは考えられませんでした。

今でも、お部屋に競争力があるなら必要はありません。
しかし競争力には限界がありますし、同じタイプのライバル貸室と遜色ない状態なら、これらの「お得感」は迷ったお客様の背中を押す、大きな決め手となるはずです。
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